◆「旭16号」砂利運搬タンカー船全長約88m
砂利運搬船として大活躍。大きな船体で力持ち。
自分自身に動力となるエンジンは搭載されていないが、エンジン搭載の仲間たちに誘導してもらい、重たい砂利をものともせずに、ガンガン働く大型船。
動力はなくとも、これほど重たい砂利を運ぶことができるのは、彼しかいないと仲間達からも一目をおかれ、全盛期はさぞ皆から頼りにされていたことでしょう。
やがて年をとり、自慢の体も力も衰えて、運搬船としての花形からしりぞき、砂利を海上で一時的に保管する、砂利保管船として裏方に回ることとなりました。
倉庫の様な扱いを受け、遠い昔の全盛期、強く逞しかったあの時代を懐かしく、誰を乗せることもなく孤独な日々を送っていたことでしょう。汚水処理場を埋め立てするべく、船体ギリギリの積載状態でグッと耐える日々。
不平不満もいわず…。
暑い日も、寒い日も、そして嵐の時も、静かに力を振り絞り耐えていたのでしょう。
沈没する前兆だったのか、異音が聞こえたそうです。
何か言いたかったのか、伝えたかったのか…。
「なぜ俺がこんな扱いを」
「なんでもっと大切に扱ってくれなかったんだ」
そう言いたかたのか…。
いや…、きっと彼は…。
「砂利を落としてしまいそうだ!仕事を全うできそうにない…許してほしい…」
最後まで自分の仕事に責任を持ち、全うできなかった事に謝罪の響きを放ったのではないでしょうか…。
ついに力尽き、1986年1月30日、その役目を終え冷たい海の底へと沈み、今は静かにその場所で眠っているのでしょう。
◆でも彼は、「旭16」は死んだのでしょうか?
熱海のダイビングショップさん達に仕事を与え、ダイバー達が彼を目当てに集まって来る。
サンゴ達に覆われて魚達の格好の住処となり、熱海の海を豊かにし、そして熱海の街を活気づける。
凄いじゃん!大活躍しているね。
孤独じゃないね。
やがて形が崩れ、跡形もなくなり、自然にかえることでしょう。
生命の源へ…。
◆ダイビングサービス熱海
経験本数30本未満ほぼ初心者の私の目当ては、「沈船」。
いろいろとご迷惑をかけながら潜行してまいりました。
なれていないため、バックロールでエントリー。
ロープをつたい「沈船」へ。
朽ち果てた甲板には綺麗なソフトコラールが付き、その上を大きな生物が変幻自在にすばやく形を変えながら泳ぐ魚の群れが美しく、生命の息吹きを感じます。
さっそく写真をと…。
「…ないカメラが…無い…落とした」
ここは大きな海の中、そく諦めて脳裏にやき付け楽しむことに決めました。
後で浮いているカメラを発見してくれたショップの方が渡してくれました(また別のブログに投稿します)。
写真は「ダイビングサービス熱海」さんからいただいたものです。
未熟な私を丁寧にサポートしていただきありがとうございました。
◆最後に
熱海のダイビングはディープダイビングになるため、中級者以上となるそうです。
まずは浮力のコントロールをマスターしている必要があり、浮上することがない浮かないコントロールと、ディープエリアでマイナス浮力にならないよう、常に中性浮力を維持するスキルが必要とのことです。
沖縄とはまったく違う良さを感じました。
四季があり、これからだと11月が見頃だそうです。
今回は「沈船」と「ソウダイ根」に潜行しましたが、まだまだ他にも潜水地があります。
熱海も最高また行くぜ!
以上。