目次
◆水だけでタケノコのアク抜き
結論 アク抜きできます
◆食す
◆薬膳からみたタケノコ
五味 甘、微苦
五気 寒、
◆栄養素の働きと補給を心がけたい人
ビタミンとミネラル
◆スーパーのタケノコの選び方
◆最後にタケノコざっくり
◆タケノコのアク抜き
今回は【水だけでタケノコのアク抜き】本当にできるのか?
やってみた!です(笑)
スーパーで選び方も分からない私が、良さげなタケノコを購入しました。
イロイロなやり方を調べ、自分で「これならアク抜きできるだろう」とミックスした方法です。
私は調理師でも料理人でもない、ただのド素人です。
◆アク抜き
家で1番大きい鍋に、たっぷりの水を入れて沸騰させます。
タケノコは皮をすべてはがしました。
根もとのボツボツと汚れている部分を包丁で削ぎ落とし、きれいにします。
縦に八等分に切ります。
そして、沸騰したお湯の中にダイビング!
タケノコが浮いてきてしまうと、その部分が変色してしまうようです。
落し蓋がないので、かわりに蒸し器をダイビング!
20分とのことですが、この時は23分沸騰させた状態でゆでました。
時間になったら、アクがタケノコにもどらぬよう、すぐにお湯を捨てて、流水に30分さらしてみました。
◆食す
【結論】
アク抜きできます。
イロイロためして食べ比べしたわけではありませんが、私の味覚では若干残りますが、気になりませんでした。
ゆでたての根元をカットして、オリーブオイルとマヨネーズ、そして山椒が抜群に相性が良いそうで、市販の粉末をかけました。
タケノコのこんな食べ方もあるんですね。
他にもイロイロなアクの抜き方が紹介されています。
「塩水」「水のなかに油を入れる」「重曹」「米のとぎ汁」
王道なのが「ヌカと唐辛子」です。
ヌカがアクを吸収してくれるそうです。
皮付きのまま煮るのは、栄養素や旨味成分を流出させないためだそうです。
そして、アクにはシュウ酸などの有害な物質もふくまれており、気になる方にはおすすめできません。
ただ、こんなこともいわれています。
「アクを完全に抜いてしまっても、旬の風味を味わうことができない、適度に残すのも大切」
せっかく美味しいタケノコが手に入っても、めんどくさいのは嫌ですね。
簡単な方法でアク抜きをし、旬のタケノコ料理をイロイロ味わい、楽しい食卓にしたいものですね。
◆薬膳からみたタケノコ
五味と五気
※五味 五行説に基づきます。
甘(かん)
⇩
緩(かん)筋肉や精神を緩める
⇩
臓腑(碑・胃)
甘味・筋肉や精神の緊張を緩める作用がありますが、過食は胃腸障害や口角炎、吹き出物などの皮膚病を悪化させます。
※五味 五行説に基づきます。
苦(く)
⇩
堅(けん)軟らかくなり過ぎたものを堅くする
⇩
臓腑(心・小腸)
苦味・精神安定の作用と、出血性疾患や下痢などにも有効ですが、便秘症の場合は注意する必要があります。
※五気 陰陽論に基づきます。
食材の調理法により変化します(平を煮ると温になるなど)。
寒(かん)
身体を強く冷やし、鎮静・消炎の作用のある食材で、暑い時期やのぼせ症の人によいといわれています。
タケノコの注意事項
・慢性病の人は多色を控える(持病を悪化させる)
・小児は多食してはならない
・胃、十二指腸潰瘍、肝硬変、慢性下痢の人は避ける
・皮膚のアレルギー、かゆみのある人は避ける
◆栄養素の働きと補給を心がけたい人
水溶性ビタミン C
アスコルビン酸
◆主な働き
・メラニン色素の生成を抑える
・コラーゲンの生成に役立つ
・エネルギー産生に関わる
カルニチンの生成に役立つ
◆補給を心がけたい人
・シミ、ソバカスが気になる人
・タバコを吸う人
・歯ぐきから血が出やすい人
・激しい運動をする人
ミネラル カリウム K
◆主な働き
・ナトリウムやカルシウムと共に 神経や筋肉の機能を正常に保つ
・細胞内外のミネラルバランスを 維持
◆補給を心がけたい人
・長期の下痢をした人
・利尿剤を飲んでいる人
・授乳婦
ミネラル マグネシウム Mg
◆主な働き
・カルシウムと共に心臓および血 管の機能を正常に保つ
・骨や歯の形成に役立つ
◆補給を心がけたい人
・激しい運動をする人
・お酒をよく飲む人
・老年期の人、妊婦
切り口に付く白い粉はアミノ酸のチロシンで、多く摂取すると寝不足であっても集中力が続いたり、ストレスがたまっていても気分が改善するなどの効果があると言われています。
また酸化により、イロイロなアクの成分の一つである、ホモゲンチジン酸になります。
◆スーパーのタケノコの選び方
鮮度が味の決め手だそうで、収穫して7時間ほどたつと、アクが出るので、買ってきたらすぐに茹でるほうが良いようです。
・穂先の芽が黄色がかっている
・皮が薄茶色のものが、エグみが少ない
・切り口が白くみずみずしい
・皮が乾いていない
・大きさのわりに、重いもの
・横幅があるもの
◆最後にタケノコざっくり
イネ科のタケノコの原産地は中国です。
食物繊維がたっぷりで、便秘の改善や腸内の老廃物を排出するなど、大腸がんの予防効果があるといわれています。
◆生産地
1位が福岡県 25.4%
2位が鹿児島県 21.7%
3位が熊本県 12.8%
◆タケノコ産業と災害について
食用タケノコの代表竹種となっているモウソウチクは中国からの渡来種で、当時は保存性が悪く輸送手段が乏しい時代であったため商品として定着できなかったのですが、1915年(大正4年)、缶詰製造が本格的な生産のきっかけとなりました。
その後、各地でモウソウチク林が育成され、タケノコ産業が盛んになる中、昭和50年代のピークを迎えるまで農山村の重要な収入源となっていました。
しかし、目を付けた商社などにより低価格で生産できる中国産輸入タケノコが増大すると共に価格の崩壊が始まり、さらに少子高齢化による後継者不足となり、タケノコの生産量は激減しました。
その結果、放置竹林が増加し農地や植林地への侵入による被害や、山地の保水力の低下による土砂災害の原因にもなり、深刻な問題となっています。
◆日本の古典文学史上最初に登場する野菜
日本で竹が生育していたという記録は、縄文時代にさかのぼります。
また、古事記や日本書紀等には、タケノコを食べていた記録があり日本の古典文学史上、最初に登場する野菜でもあります。
712年の日本最古の歴史書である古事記に、このような物語があります。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
イザナキは、亡き妻に会いたい気持ちがつのり、
死者の国である黄泉の国まで
イザナミを追って行きました。
そして、黄泉の国の御殿の内側にいる
妻のイザナミにいいました。
「いとしい妻よ
どうか帰ってきておくれ」
しかし、イザナミは、
「残念です。
私は、黄泉の食べ物を口にしてしまいましたので、もう帰れません。
黄泉の国の神と相談しましょう。
その間、けっして私を見ないでください」
といい御殿の奥に入っていきました。
長く待ちましたが、
イザナミは現れません。
しびれを切らしたイザナキは、
御殿の中に入りました。
そこで見たイザナミには、うじ虫がたかり、
腐敗した醜い姿がありました。
それを見たイザナキは恐れおののき、
黄泉の国から逃げ去ろうとしました。
すると、イザナミは、
「よくも恥をかかせましたね」
といい黄泉醜女(ヨモツシコメ)達に、
イザナキの後を追わせました。
イザナキが逃げながら
黒つる草でできた髪かざりを投げると、
山ぶどうの木が生えました。
ヨモツシコメ達が山ぶどうの実を
むさぼり食べている間に、イザナキは逃げました。
しかし、まだ追いかけてくるので、
イザナキは、竹のくしの歯を折って投げると、
今度はタケノコが生え、
ヨモツシコメがそれを抜いて食べている間に
イザナキはまた逃げました。
とうとう、イザナミ自身が追いかけてきました。
イザナキは重い大きな岩で、
現世と黄泉の境界場所を塞ぎ、
イザナミとその岩を間に置いて向かい合い立ちました。
イザナミは、いいました。
「こんなことをするのなら、
あなたの国の人を一日千人殺しましょう」
イザナキがこたえました。
「千人殺すなら、
私は一日に千五百の産屋を建てよう」
こうして、一日に必ず千人死に、
千五百人が生まれるのです。
そしてイザナミは、
黄泉の国を支配する神、
黄泉津大神(ヨモツオオカミ)となりました。
こんな昔から、タケノコが食べられていたことがわかります。
以上。